憧れのホワイトスペース

先日の紙焼き編に続くアシスタント時代のお話です。

少しづつではありますがレイアウトなどもやらせてもらえるようになってきた頃、当時、流通チラシと呼ばれるジャンルがありました。ターゲットはお年寄り、現在で例えるならベルーナさんのチラシをもっと泥臭くしたようなイメージでしょうか。

掲載されていた商品は多岐に渡り、食品もあれば掛け布団敷布団のセット、座椅子、キッチン周りの小物などなど。B3サイズの紙面には多量の商品がてんこ盛りでした。

まずは商品のグループ分けし…各グループの売りの商品を大きく…手書きでラフを描いて自分なりの制作マップを作ります。手書きのラフまではスムーズなのですが、実際にレイアウトしていく時に苦しみました。

テキストが多くスペースからあふれてしまったり、逆にテキストが少ない商品はスペースが空いてしまったり…記憶に鮮明なのが寝具のブロックです。掛け布団敷布団セット、毛布、枕、あんか、あったかカーペットなど。昨日のことのように思い出してしまいます。とにかく、強弱(メリハリをつけろ!!とよく怒られたり、ため息をつかれて呆れられたり…汗)をつけたレイアウトが上手く出来ずとにかく苦しみました。敷布団が二つ重なった写真のコピーをハサミで切り抜きにして、版下にペーパーセメントで貼り付けている時の風景は今でも鮮明です。

当時はオール手作業のアナログ時代からmacのパソコンに移行中の過渡期で、パソコン上でレイアウトして、それを印画紙で出力して(モノクロで)、スノーマットに貼り付けて、場合によっては切ったり、貼ったりの作業もして、トレペをかけて色指定をして、、、、という具合で版下を作っていました。

写真までデータ内に実寸で貼り付けたフルカラーデータを入稿するのはまだまだ先の話です。

さて…会社の本棚には雑誌からデザイン年鑑、書体集まで様々な資料がありました。自分の担当しているのはオシャレさのかけらもないチラシでしたが、デスクの上にはan・anやOggi、Zipperなど最先端のファッションや雑貨情報が掲載されたオシャレ雑誌たちが。

ゆったりとホワイトスペースが取ってあって文字は小さめで文字間隔は広め、とにかくカッコイイレイアウトでいつかは自分もこんな雰囲気のレイアウトが出来る様になりたいと常々思っていました。当時のOggiの看板モデルは江角マキコさんで満面の笑顔で表紙を飾っていたのを覚えています。

今思えば参考にするべきは他社が作ったチラシなんですが…

大山阿夫利神社(本文とは全く関係ありません。)